テレビで映画を見るタイミングといえば、金曜日の夜。「金曜ロードSHOW!」はある意味、長寿番組といってもいいだろう。諸君もきっと好きな番組のひとつに数えられるのでは? そんな長寿番組が持つ影響力というのは、果たしてどれくらいなのだろうか?
そこで「金曜ロードSHOW!」で放送された映画が、放送前後の消費行動にどのような影響があるのかを、TSUTAYAレンタル利用状況を元に可視化。すると、驚くべき変化が表れていたのだ。「金曜ロードSHOW!」が人々に与える影響はすごいものがあった!「また大げさな…」と思った諸君は、その結果を見れば納得することだろう…。
2015年10月2日~2016年2月5日の間、放送された「金曜ロードSHOW!」各回の視聴割合と関東エリアのTSUTAYAレンタル実績から、放送前後の7日間の利用率を調査。
まず「金曜ロードSHOW!」を視聴した人と視聴しなかった人がそれぞれ、放送前、放送後のTSUTAYAでどのような映画レンタルの利用の動きを示したか、その割合を出してみた。
もちろん、放送された映画によっても、人々の動きは変わってくる。さっそく、テレビで映画を見た人と見なかった人が、それぞれ放送後に大きな動きを見せた映画を見てみよう。
「金曜ロードSHOW!」で放送された全17番組のうち、「見た」人のTSUTAYAレンタル利用率が高かった映画の上位6位がこれだ。数値は、放送を見た人のレンタル利用の放送前後の変化率と、見てない人の変化率の差異で、これを番組効果と定義した。特に変化率の差異が49.2%と高かったのは12月4日に放送された「ホーム・アローン」。クリスマスの定番コメディーだが、さすがに人気映画だけあって、影響力も非常に高い。その他5作品の放送も、多くの人々の足をレンタルショップへと運ばせたようだ。
この6作品は、一見バラバラのように見えて、実はある共通点がある。それは、「シリーズもの」の映画だということだ! シリーズ映画を見ると、その余韻と興奮からか、思わず同シリーズの映画が見たくなり、レンタルショップに駆け込むのかもしれないな。
ちなみに「るろうに剣心」の映画は、全3部作が連続放送されたため、1週目の「るろうに剣心」と2週目の「るろうに剣心 京都大火編」は「見た」人が続編を借りに行ったのかレンタル利用率が高かった。しかし、3週目の「るろうに剣心 伝説の最後編」を「見た」人は、さすがに低くなっていた。では、反対に「見なかった」人のレンタル利用率が高かった映画には、他にどんなものがあるのだろうか?
「金曜ロードSHOW!」の放送後、映画を「見なかった」人のレンタル利用率が高かった映画が、上のグラフの6つの映画だ。いずれも人気映画がそろっているため、惜しくも見逃してしまったり、録画し忘れてしまったりした人は、その悔しい想いをレンタルで晴らそうとしたのかもしれない…。すごい執念を感じるぞ。
そして驚くべきことに、全17作品中の上位6位のうち、ジブリ作品が3つもランクイン! 「ハウルの動く城」「天空の城ラピュタ」「思い出のマーニー」だ。ジブリ映画は、見なかったことで、より一層後悔を引き起こす傾向があるのかもしれないな…。
テレビでシリーズものの映画を見た人は、同シリーズをレンタルしたくなる! 「ジブリ作品」の放送を見逃した人も、レンタルしたくなる!
シリーズものを見ると、同シリーズの他の作品も見たくなるのが人間の性というもの。そして見なかった場合は、あとからネットなどで話題になり、「見逃した!ショック!」と見たい意欲が駆り立てられてしまうのかもしれない。実に興味深い結果になったな。
今回は、テレビでの映画視聴の実態とその影響力の強さが分かったと同時に、テレビなどのメディアと連動した、店舗のマーケティングの可能性が見えた有意義な回だったな。自分で言うのもなんだが、今回も優れたデータ調査と洞察だった…。(しみじみ)
ぜひ諸君もデータを活用してみてほしい!
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