最近流行っていると聞く「一人キャンプ」や「グランピング」。開放的な外の空間で過ごしたいという人たちが増えてきているようだな。ソレユケテレビ探偵団の団長もブームにのっていろいろ始めてみたいと考えていたのだが、そんな矢先、大変興味深いCMが目に飛び込んできたぞ。
7月から放送された日清食品の「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」だ。
出演したのは、テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」のエンディングテーマに起用されるなど、若者から熱い支持を受けるシンガーソングライター崎山蒼志さんと俳優・シンガーソングライターとして活躍する山﨑すがらさん。
2人が河川敷を訪れ、シングルバーナーを使って「チキンラーメン」を調理し、味わい尽くすこのCM。
沸騰したお湯にチキンラーメンを投入しトッピングには唐揚げとゆで卵、さらには余ったスープでシメの雑炊まで。
外で調理されるチキンラーメンがおしゃれに見え、最高にしずる感のある内容だ。
このCMを見てどのような人が購買意欲を掻き立てられ、実際に商品を購入したのか?
10代~20代を中心に人気を集める崎山さんと山﨑さんが思い思いに、いつもと異なるシチュエーションでチキンラーメンを味わうこのCMは、特に若者に影響を与えたのではないか?
また、CMから感じられる「しずる感」はこれまで即席袋麺を買ったことがない人にも購買意欲を与えてのではないか?と団長は考えた。
性年代と新規既存の切り口で、CM視聴者のチキンラーメン購買傾向の変化を分析したぞ!
新規・既存の定義は、即席袋麺カテゴリ商品を買ったことがある人を「既存購買者」、買ったことがない人を「新規購買者」とした。早速結果を見てみよう!
《今回の分析条件》
▸ 視聴区分:Total視聴率(ライブ視聴率+録画視聴率)
▸ CM検証期間: 2021年7月26日(月)~8月22日(日)
▸ 購買検証期間:2021年7月26日(月)~8月22日(日)
▸ セグメント:①M1=20-34歳男性/M2=35-49歳男性/M3=50-64歳男性/F1=20-34歳女性/F2=35-49歳女性/F3=50-64歳女性、②新規購買者(過去1年間に「即席袋麺を購買していない」人)/既存購買者(過去1年間に「即席袋麺を購買した」人)
▸ リフト値:各性年代の平均を基準値(1.00)としたときのCMを見た人の数値
このグラフは各性年代の平均を基準値とした時の性年代別購買リフト値を表している。
グラフを見てみると、15歳刻みの性年代のうち、最も購買リフト値が高かったのは「M1」、次いで「F1」、「F2」だったぞ。
より若い世代のCM接触の効果が大きいことがわかる。特に出演者と世代の近い層にとってはその親しみやすさもあってか、ダイレクトに購買意欲を促進することができていたのかもしれないな!
次に、性年代別にCMを見た人の購買金額について見てみよう。
CMを見た人たちの購買率のリフト値とあわせて考えていきたい。
まず、最も購買金額リフト値が高かったのは「F1」であった。基準値よりも購買金額が高いことから、家族や自宅ストック用のまとめ買いなど購買金額が高くなる買い方が多かったことが考えられるな!
一方、CMを見た人の購買率が基準に比べて最も高かった「M1」の購買金額リフトは、基準に比べて低かったぞ。なるほど、これは興味深い結果だ。
購買率が高く、購買金額が低いCMを見て購買した「M1」は、トライアルとして単価の低い即席袋麺の単品買いをする人が多かったのではないかと推測できるな。
つまり、CM出演者に近い年代の男性がCM内容と同じく自分が食べる分だけの商品を購入してると考えられるのではないだろうか。
また、「M2」「M3」「F3」の購買金額は基準値とぼぼ変わらないことから、金額に与えるCMの影響は小さいことがわかる。
ここまでは、CMを見た人の性年代別の購買率、購買金額について見てきた。
結果、今回の CM「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」は出演者と内容の親しみやすさもあってか、特に若年層の購買意欲を促進することができたといえるのではないだろうか。
ここからは、即席袋麺商品を買ったことがある人を「既存購買者」、買ったことがない人を「新規購買者」として、CMを視聴した人のCM効果を性年代と同じく購買率、購買金額で分析していくぞ!
まずは、「新規購買者」「既存購買者」の購買率について見てみると、「新規購買者」はCM視聴者の購買率は基準に比べて高かった。
一方、「既存購買者」はCM視聴者の購買率は基準に比べて低い結果となっていた。
即席袋麺を買ってきた人に対しては今回のCMはそれほど購買意欲を掻き立てられなかったのかもしれないな。反対に、即席袋麺を購入したことがない人、最近購入したことがない人にとっては思わず食べてみたいと思わせることができていたのかもしれないな!
なるほど。このCM「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」はチキンラーメンにとっての新規ユーザーを獲得しているということが分かったぞ!
次に、性年代別のCMを見た人の購買金額について見てみよう。
結果を見てみると、「新規購買者」「既存購買者」ともにそれぞれの基準値に比べて購買金額が高いことがわかる。
ふむふむ、過去の購買有無にかかわらず、CMを見た人の購買金額が高いということは、CMが客単価UPに大きな効果を発揮したといえるな!
特に「新規購買者」に対して、このCM「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」はCM接触により、新たな購買者を多く生み出し、一人当たりの購買金額を高める結果となったな!
今回の結果を振り返ってみて、CM「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」は若い層とこれまで即席袋麺を購買してこなかった「新規購買層」を取り込んだことがわかったぞ!
性年代を意識した出演者の起用や、しずる感のあるシーン提案はわかりやすくダイレクトに響き、実際の購買にも影響があったと言えるのではないか。
今回も分析の結果とCMのクリエイティブの関係性について考えることの面白さを感じることができた!
自分もチキンラーメンの調理に挑戦したいな、そんな気持ちにさせる「シーン提案」は強烈な訴求表現だと考えさせられたぞ。
どういったCMが消費者の購買意欲を促進するのか、これからもますます検証を重ねていくぞ!
こういった視点でもCMを分析してみたい!というご相談はいつでもしてくれたまえ!
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